腫瘍制御学分野は平成11年1月に開設されました。
現在は、研究組織としては九州大学大学院医学研究院先端医療医学部門に、教育組織としては医学系学府外科学講座に所属しています。

特徴は、がんを「がん患者さん」として捕らえる臨床研究を実施している点です。したがって、研究はがん細胞、特にがん組織の病態を研究するチームと、生体の免疫能を研究するチームからなっています。
また、両チームは常に同一の場所で研究を行い、互いの研究成果を理解するとともに共同研究発表を実施し、両研究チームの成果を結びつける努力をしています。 したがって、開発される治療法は、がん患者さんに対する免疫学的な治療法が中心となります。

免疫療法の対象となる患者さんは疼痛、吐き気など様々な症状に悩まされておられる場合が少なくありません。したがって、患者さんを全人的に治療およびケアする仕組みが必要です。 腫瘍制御学では腫瘍制御学認定免疫細胞療法医とともに、高度の低侵襲外科専門医(緩和外科医)の育成に努めています。

本ホームページが、患者さんのお役に立てますように。


九州大学大学院医学研究院 先端医療医学部門 腫瘍制御学分野 名誉教授 片野 光男

MITSUO KATANO, M.D., Ph.D. Professor and Chief Department of Cancer Therapy and Research Graduate School of Medical Sciences Kyushu University


名誉教授経歴

1974年
九州大学医学部卒業
九州大学医学部附属病院 (第一外科)入局
1981年
佐賀医科大学医学部助手(外科学)
米国カルフォルニアロサンゼルス校研究員(腫瘍外科学)
1983年
佐賀医科大学医学部助手(外科学)
1989年
同講師
1999年
九州大学大学院医学研究科外科学講座腫瘍制御学分野教授
2002年
九州大学大学院医学研究院先端医療医学部門教授
2003年
先端医療医学部門長
2007年
副研究院長
2008年
九州大学病院病院長補佐
2011年
医学研究院長
2015年
九州大学名誉教授

専門分野

消化器外科学、腫瘍病態学、腫瘍免疫学

研究活動の概要

1970年代:
進行消化器がんを対象とした本邦最初の大規模な「BCG生菌による非特異的免疫療法」の実施
1980年代:
  1. がん性胸腹膜炎患者に対する「溶連菌製剤(OK-432)胸腹腔内投与療法」の開発と実施(現在は、保健医療)
  2. 留学中のUCLA腫瘍外科(Dr. Morton教授)にて、世界最初の「ヒトモノクロナル抗体(抗GD2抗体, 抗GM2抗体)の作成と応用」に参画
1990年代:
  1. 薬用人参中より新規抗腫瘍活性物質(アセチレン系アルコール)の分離と精製
  2. がんの内視鏡生検組織を用いた悪性度評価法と「遺伝子カルテ」の提唱
2000年代:
  1. 難治性がんに対する樹状細胞を用いたワクチン療法(免疫監視機構構築療法)の開発と臨床応用
  2. 動物に代わる三次元実験系の開発(人工腹膜、人工免疫組織、人工がん組織)
2010年:
  1. 形態形成シグナル系を標的としたがん治療法の開発
  2. 緩和外科医療の提唱と普及
2011年:
  1. 腫瘍幹細胞療法開発のための基礎研究
  2. がん微小環境制御によるがん免疫療法

所属学会

日本外科学会、日本消化器外科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、
 日本バイオセラピィー学会、アメリカ癌学会など

片野先生からのメッセージ

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